鰐鳴八幡宮(読み)わになきはちまんぐう

日本歴史地名大系 「鰐鳴八幡宮」の解説

鰐鳴八幡宮
わになきはちまんぐう

[現在地名]山口市大字上小鯖 桜

小鯖おさば八幡宮ともいう。祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后。旧郷社。

社伝によれば、寛弘元年(一〇〇四)豊前宇佐うさ八幡宮(現大分県宇佐市)から勧請したという。その際神霊を船で迎え、瀬戸内海から椹野ふしの川をさかのぼり、山口町の鰐石わにいしに上陸した。この時、船に従っていた鰐が別れを惜しんで鳴いたという故事により鰐鳴宮と称したと伝える。氏子も古くは小鯖のみならず、吉敷よしき郡南部の諸村を含み、多くの崇敬を集めていた大社であったが、正治元年(一一九九)に小鯖と南部諸村との間に論争が起こり、南部諸村は小俣おまた八幡宮(現防府市)を建立して分離したと伝える(「注進案」所収応永三二年一〇月付小俣八幡宮御符)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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