(読み)フカ

デジタル大辞泉 「鱶」の意味・読み・例文・類語

ふか【×鱶】

西日本で)大形のサメのこと。
[類語]甚平鮫鋸鮫青鮫頰白鮫葦切鮫小判鮫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鱶」の意味・読み・例文・類語

ふか【鱶】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 大形のサメ類の俗称。シュモクザメをシュモクブカと呼ぶなど。《 季語・冬 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
  3. よく眠る人、特に、鼾(いびき)をかいてよく眠る人をたとえていう語。
    1. [初出の実例]「つとめとて・ふかどのきっとねずの番」(出典:雑俳・軽口頓作(1709))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鱶」の読み・字形・画数・意味


26画

(異体字)
19画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] ふか

[字形] 形声
声符は(養)(よう)。・羊の古音はjiang。羊に(祥)・詳(しよう)の音があるように、にもその声がある。本字はの省文に従い、ひもの、ほし魚をいう。〔和名抄〕に「魚(しやうぎよ)」の項があり、「辨色立に云ふ、魚、居の反(ケン)、布加(ふか)、今案ずるに未詳」という。鱶はの省文に従うもので、とは音が異なる。鱶を「ふか」とするのは、わが国の訓である。

[訓義]
1. ひもの、ほしうお。
2. わが国では、ふかの意に用いる。

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「鱶」の解説

鱶 (フカ)

動物。軟骨魚綱,板鰓亜綱に属する,エイ目を除く魚類総称。サメの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【ワニ(鰐)】より

…またキリスト教図像学では,大口をあけたワニを地獄への入口としたり,口を縛られたワニに〈断食〉の意味を与えている例がある。【荒俣 宏】
[日本の伝承の中の〈ワニ〉]
 鰐は文字上では中国南部の河川に生息する爬虫類で人を害する動物であるが,日本語のワニをこれに当てたのは古代日本の中央文人の誤りで,山陰地方における鱶(ふか)の方言であり,ワニのはえなわ漁がある。鱶も猛魚で,しばしば人を襲って傷害を与えるために,実物を知らぬ知識人が翻訳を誤ったと思われ,古代に日本列島にもクロコダイルまたはアリゲーターといった爬虫類が生息したという証拠にはならない。…

※「鱶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android