日本歴史地名大系 「鳴子村」の解説 鳴子村なるこむら 宮城県:玉造郡鳴子町鳴子村[現在地名]鳴子町 星沼(ほしぬま)・西原(にしはら)・南原(みなみはら)・焼石亦(やきいしまた)・尿前(しとまえ)・上鳴子(かみなるご)・湯元(ゆもと)・新屋敷(しんやしき)・車湯(くるまゆ)・末沢(すえざわ)・岩渕(いわぶち)・見手野原(みてのはら)・川端(かわばた)・南星沼(みなみほしぬま)・古戸前(ふるとまえ)・河原湯(かわらゆ)・末沢西(すえざわにし)・大畑(おおばたけ)・中屋敷(なかやしき)・岩渕前(いわぶちまえ)・柳木(やぎ)大口(おおくち)村の西に位置し、北は栗原郡鬼首(おにこうべ)村、南は加美(かみ)郡宮崎(みやざき)村(現宮崎町)などと接し、西は中(なか)山(二九〇メートル)越えに出羽国最上郡富沢(とみさわ)村(現山形県最上郡最上町)に至る。玉造郡の西端にあたり、国境山間部を水源とする大谷(おおや)川が東流、鬼首村より南下する江合(えあい)川(荒雄川)に尿前付近で合流、江合川は同所で東へ向きを変える。江合川・大谷川沿いに中山(なかやま)越出羽道が通る。同街道沿いに東から尿前・中山の二宿が設けられ、尿前には藩境警固のために番所が置かれた。北には花淵(はなぶち)山(九八四・九メートル)がそびえ、東南には強酸性湖として知られる潟(かた)沼がある。江合川右岸には栗駒(くりこま)火山群鳴子火山による温泉が湧出、星沼・河原湯・湯元・車湯などには温泉宿が設けられた。近世中期以降湯治客も増え、後期には鳴子温泉郷のなかでも最も栄え、仙台藩領内の代表的な湯治場となった。また西方、中山平は、寛永年間(一六二四―四四)以後、中山宿設置を目的に新田開発が進められ、宿を中心に集落が発展した所である。なお村名を継承する現鳴子町は行政上「なるこ」と読まれるが、土地の人は古くから「なるご」と発音する。地名の由来については二説がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報