鳶が巣城跡(読み)とびがすじようあと

日本歴史地名大系 「鳶が巣城跡」の解説

鳶が巣城跡
とびがすじようあと

[現在地名]出雲市東林木町・西林木町

北山山系の鼻高はなたか山と旅伏たぶし山を結ぶ稜線から出雲平野に向けて突き出した支脈の先端と、その山腹に設けられた戦国期の山城。標高二八二メートルの鳶が巣山山頂の曲輪群と、標高五〇メートルの南側の山麓に設けられた曲輪群との二重構造をなす。毛利元就が尼子勢を出雲一国に追詰め、出雲国の平野部に侵入し、最初に設けた軍事拠点であり、山頂曲輪群は永禄五年(一五六二)八月頃の築城と推定される。戦線が出雲国東部に移動し、荒隈あらわい(現松江市)が毛利氏の指揮中枢になると、鳶が巣城は毛利方の兵員物資の中継基地としての機能を果すようになり、この段階で大きな収容空間をもつ山麓の曲輪群が整備されていったのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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