鳶尾城跡(読み)とびのおじようあと

日本歴史地名大系 「鳶尾城跡」の解説

鳶尾城跡
とびのおじようあと

[現在地名]新市町宮内

吉備津きびつ神社西側の山頂(標高約一五〇メートル)にある。鳶尾城から尾根伝いに桜山さくらやま城、さらに南の亀寿山かめじゆさん城に連係している。慶安元年(一六四八)以前のものとされる備後国宮内吉備津宮古絵図写(旧版「広島県史」所収)に「とひの尾山」が描かれ、「福山志料」は「按ニコノ城至テ高ケレハ平居ニ便ナラス、タトヒ本丸ハココニテモ、平日ハ桜山ニ伴居セシナルヘシ」と当城と桜山城の関係を記す。旧版「広島県史」は鳶尾山について「一宮社後の高丘なり、宮下野入道の居所といひ、一には宮実信とし、又桜山慈俊も此所に居たりといへり、又一説には一宮城と称し、鳶尾山を本城とし、桜山城を居館なりともいへり」といい、「芦品郡志」は「吉備津神社後の高山にて要塞堅固なり、桜山慈俊の拠りしは此処なるへし」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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