デジタル大辞泉
「鶏口牛後」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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鶏口牛後
大きな団体の属員になるよりは、小さな団体でも、そのかしらとなるほうがよい。
[使用例] 大会社じゃないだけに、仕事はおもしろいぜ。かなり自由がききそうなんだ。まだよくは判らないけれどね。鶏口となるも牛後となるな、とか言うだろう[丸谷才一*笹まくら|1966]
[使用例] M G Mのミュージカル・コメディで、脇役、又は(主演というより)ヒロインの引立役をつとめてきた。鶏口となるより牛後となることをえらんだわけだが[小林信彦*世界の喜劇人|1983]
[使用例] 台湾人材の能力の高さを支える主な特徴としては、「語学力」「理系が人気」「アメリカ・シリコンバレーとの結び付き」「鶏口牛後意識の強さ」が挙げられる[大前研一*クオリティ国家という戦略|2013]
[解説] 戦国時代の弁舌家・蘇秦は、強国・秦に対抗するため、諸国の同盟を実現しようとしていました。その諸国のひとつ、韓の王に対して、同盟を勧めた殺し文句が「鶏口牛後」です。
漢文訓読ふうに読むと「むしろ鶏口となるも牛後となるなかれ」。小さなニワトリの口(=小国の指導者)でいたほうが、大きな牛の尻(=大国の下っ端)になるよりいい、ということです。
大国の秦に飲み込まれるのではなく、小国の韓の王のまま、同盟に協力してください。これが蘇秦の主張でした。「戦国策」に出ている話です。
「鶏口牛後」の言い方にはバリエーションがあります。例文にあるように「鶏口となるも牛後となるな」と文の形にしたり、「鶏口となるより牛後となる」と話を逆にしたりもします。
上に立つよりもサポート役を好み、「鶏口より牛後がいい」と考える人もいます。でも、脇役もベテランになれば、トッププレーヤーと呼ばれることもあります。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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