鷁首(読み)ゲキシュ

精選版 日本国語大辞典 「鷁首」の意味・読み・例文・類語

げき‐しゅ【鷁首】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 龍頭船と一対となり、王侯貴族の儀式、社寺祭礼などに船楽を奏する船。水難を防ぐ意味で、船首に鷁(想像上の水鳥)の彫刻または絵画をつけたもの。また、その船首をもいう。龍頭船と合わせて龍頭鷁首ということが多い。鷁首船。げきす。鷁舟
    1. 鷁首<b>①</b>〈紫式部日記絵巻〉
      鷁首紫式部日記絵巻
    2. [初出の実例]「横海鯨鼇、山峙呑舟。非鷁首之能圧」(出典:性霊集‐五(835頃)請越州節度使内外文書啓)
    3. 「龍頭に惟季笛をふく。鷁首には笛吹なくて、之楽をせず」(出典:十訓抄(1252)一〇)
    4. [その他の文献]〔張衡‐西京賦〕
  3. 香木の名。分類は伽羅(きゃら)。二百種名香の一つ。

げき‐す【鷁首】

  1. 〘 名詞 〙げきしゅ(鷁首)色葉字類抄(1177‐81)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「鷁首」の読み・字形・画数・意味

【鷁首】げきしゆ

鷁首の舟。〔淮南子、本経訓〕池(をち)の深きを鑿(ほ)り、畛崖(しんがい)のきを肆(ほしいまま)にし、~舟鷁首、吹して以て(たの)しむ。此れ水に(のが)るるなり。

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