鷹尾神社(読み)たかおじんじや

日本歴史地名大系 「鷹尾神社」の解説

鷹尾神社
たかおじんじや

[現在地名]大和町鷹ノ尾

たか東部、鷹尾西にある。応神天皇・仲哀天皇および神功皇后の三神を祀る。旧県社。明治時代の県社昇格運動に際して編まれた県社昇格願(鷹尾神社文書)には「清和天皇貞観十一年ノ勅建」とされ、また別府八幡宮旧記調(同文書)には「貞観年中江波大納言紀公昌豊前宇佐宮ヨリ遷シ奉ル」と記されているが、それを明確に示す史料はない。いっぽう天慶七年(九四四)の筑後国神名帳(高良山文書/久留米市史7 資料編古代・中世)山門郡の項には直接鷹尾社に関係する神名はみえないものの、「三沼神」を当社にあてる説もある。現状では祭礼関係写(鷹尾家文書)に含まれる保元四年(一一五九)二月日の高良別宮供下支配注文にみえる「別宮」が鷹尾社の存在をうかがわせる最古の史料であり、その時すでに「高良別宮」として高良こうら(現久留米市)との本末関係をもっていた。なお八幡宮となったのは江戸時代に入ってからと考えられる。

鷹尾社は瀬高下せたかしも庄の鎮守でもあり、祭礼や宝殿の造営などの費用は瀬高下庄と鷹尾別符内の名に賦課されていた。寿永元年(一一八二)八月一六日の瀬高下庄公文所下文(「鷹尾社祭礼関係文書写」鷹尾家文書/平安遺文八)には別宮の正月七日や毎月晦日の酒肴などを負担する名として吉里よしさと稲富いなどみ・行武・重富しげとみ・小熊丸・太郎丸たろうまる・楽定・弥乙丸・小太郎丸・乙丸おとまる・久富・友吉・有富ありどめ・吉成・吉富よしどみ・新名熊丸・枝光えだみつ北鴨住きたかもすみ・元吉成・小犬丸・小犬男丸・犬男丸が記載されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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