日本歴史地名大系 「鹿児島県史」の解説
鹿児島県史
かごしまけんし
七冊 鹿児島県編
解説 鹿児島県が昭和八年から三〇余年をかけて編纂・刊行した歴史書。史料に基づく記述は刊行当初から全国県史中の白眉とされ、現在も鹿児島県における歴史研究の基本文献となっている。昭和九年に編纂準備に着手し、翌一〇年監修者に黒板勝美、編纂主任に丸山二郎、委員に大田亮・阿部真琴・水上一久武を委嘱して県史編纂事業が本格的に始まり、同一四年に第一巻、一五年に第二巻、一六年に第三巻、一八年に第四巻と別巻、一九年に年表、そして四半世紀経った昭和四二年に第五巻が刊行された。第一巻が序説のあと上代から織豊期まで、第二巻が近世初期の島津家久時代から島津斉興の嘉永期頃まで、第三巻が幕末の島津斉彬時代から明治一〇年の西南戦争まで、第四巻が明治一一年から昭和一〇年まで、第五巻がそれ以降昭和三八年頃までを記述。別巻は役職補任表や諸家系図、各種の統計表や資料・県史編纂沿革概要など、年表は上代から昭和一八年(復刻版は四〇年)までが記される。昭和四二年の第五巻刊行に合せ、戦前の刊行本が一部補正追記されて復刻された。なお昭和三八年に奄美関係の記述を抜粋した「鹿児島県史」一冊が名瀬市誌編纂委員会によって刊行された。
鹿児島県史
かごしまけんし
七冊 鹿児島県編 昭和一四―一九年刊(第一―四巻・別巻・年表)・同四二年刊(第五巻)
構成 第一巻(序説と神代・国造時代・国司時代・守護時代・分国時代)、第二巻(序説と薩摩藩の体制・藩政の推移・民政及び産業・海外及び琉球との関係・宗教及び学芸)、第三巻(序説と幕末の藩政・幕末の対外関係・薩藩の国事鞅掌・維新後の藩政・県政の実施・丁丑の役)、第四巻(序説と県政の整備・県政の伸展・県政の躍進)、第五巻(昭和一一―三八年までの通史)、別巻(補任表・諸氏系図・統計表・諸表・附録)、年表(神代―昭和一八年)
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報