鹿波村(読み)かなみむら

日本歴史地名大系 「鹿波村」の解説

鹿波村
かなみむら

[現在地名]穴水町鹿波・あさひおか

七尾北湾に面し、内浦街道が通る。北西岩車いわぐるま村、東は曾良そら村。加波とも記された。年次に検討の余地がある文応二年(一二六一)六月一三日の諸橋六郷田数目録(諸橋稲荷神社文書)によれば、鹿波は本郷・阿曾良あそらとともに六郷のうちの上三郷を構成し、鹿波の西境は「サワ川」まで、曾良との境は「フトノヒラ」とみえる。延徳三年(一四九一)七月諸橋六郷の惣社稲荷宮の神主が、能登畠山氏の奉行所に神役収納の安堵を求めており、稲荷宮神役申状案(同文書)に月次神事料と七月の供花料の負担がみえ、鹿波からの社納分は五貫五三一文と定められているが、近年は退転していた。享禄五年(一五三二)五月、内浦沿岸部の村々から畠山氏の催促に応じた長衆のうちに、諸橋六郷の衆として当地の右馬・七郎左衛門がみえる(「穴水村・諸橋六郷長衆交名案」諸橋文書)。天文元年(一五三二)七月の諸橋六郷・南北棟数注文写(諸橋稲荷神社文書)によれば、諸橋六郷のうち「かなミ」で棟役を負担する役屋は五三間とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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