鹿落坂
ししおちざか
霊屋橋から瑞鳳寺の下を広瀬川に沿って越路・向山へ越える坂。古来の急な細道で、この坂口から鹿が里へ下り出るため鹿下り坂といったのを、のちシシオチ坂という。仙台開府前の主要道であった東海道とされ、同道のほかに仙台南西の山から出入りの路がないという仙台の要害であった(仙台鹿の子)。シシウチ坂と郷人がいうのは仙台なまりという。
坂の西上に札所三三番の道場、越路観音がある。別当は曹洞宗経部山大蔵寺。同寺は慶長二年(一五九七)の中興開山で、青葉山の黒沼の辺りにあったが、仙台城造営にあたり経ヶ峰に移し、二代藩主忠宗の廟感仙殿の造営が着工された万治二年(一六五九)に鹿落坂の上に移された(封内風土記)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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