鹿野往来(読み)しかのおうらい

日本歴史地名大系 「鹿野往来」の解説

鹿野往来
しかのおうらい

近世鳥取城下から西へ向かい、高草たかくさ野坂のさか宿・(現鳥取市)を経て気多けた志加奴しかぬ宿(鹿野宿、現鹿野町)に至る往来。志加奴宿から北西に向かい、同郡青屋あおや宿(現青谷町)伯耆街道と連絡する道が通じていたが、この鳥取城下―志加奴宿―青屋宿を結ぶルートは伯耆中道ともよばれて、鳥取と伯耆を結ぶ近道として往来が盛んであった。志加奴宿ではさらに西へ向かって因伯国境の滑石なめし峠を越えて、河村かわむら郡の三徳みとく山の門前(現三朝町)三朝みささ温泉(現同上)を経て倉吉に至る倉吉往来(鹿野道)とも連絡していた。鳥取―野坂宿間は鳥取城下鹿野口惣門を出て南西へ向かい、古海ふるみ渡で千代川を渡り、古海村(現鳥取市)を経て本高もとだか(現同上)に至り、立見たちみ峠を越えて野坂宿に至る経路が主道であるが、文政年間(一八一八―三〇)の高草郡全図(県立博物館蔵)では、古海村から徳尾とくのお(現同上)を経て野坂川沿いに野坂村へ達するルートで描かれている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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