黄体形成ホルモン(読み)オウタイケイセイホルモン

デジタル大辞泉 「黄体形成ホルモン」の意味・読み・例文・類語

おうたいけいせい‐ホルモン〔ワウタイケイセイ‐〕【黄体形成ホルモン】

脳下垂体前葉から分泌される生殖腺刺激ホルモンの一。雌では成熟した卵胞に作用して排卵を起こし、黄体化させる。雄では精巣に作用し、雄性ホルモンの分泌を促す。LHluteinizing hormone)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「黄体形成ホルモン」の意味・わかりやすい解説

黄体形成ホルモン
おうたいけいせいホルモン
luteinizing hormone

略称 LH。プロランB,間質細胞刺激ホルモン ICSH,黄体化ホルモンともいう。下垂体前葉から分泌される生殖腺刺激ホルモンの一つ女性に対しては成熟した卵胞からの排卵を促し,その後の黄体形成を促進する。一方男性に対しては,精巣の間質細胞を刺激しテストステロンの分泌を促す。黄体形成ホルモンは卵胞ホルモンによって分泌を促され,黄体ホルモンによって抑制される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

栄養・生化学辞典 「黄体形成ホルモン」の解説

黄体形成ホルモン

 黄体化ホルモン,ルトロピンともいう.下垂体前葉が産生する性腺刺激ホルモンの一つで,糖タンパク質.雄の精巣に作用するとアンドロゲン生合成を促進,雌の卵巣に作用すると排卵の促進,黄体形成の促進,プロゲステロン生合成を促進する.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の黄体形成ホルモンの言及

【月経】より

…性周期は,間脳・脳下垂体‐卵巣系における神経系と内分泌系との間の,一種の生体自動調節機構によってもたらされるもので,脳の視床下部脳下垂体前葉と卵巣とが相互に作用しあい,それぞれからのホルモン分泌が巧妙に調節されて起こる。
[月経周期]
 間脳・視床下部の支配のもとに,脳下垂体前葉から,月経周期に応じて,2種類の性腺(または生殖腺)刺激ホルモン(ゴナドトロピン),すなわち卵胞(または濾胞)刺激ホルモンfollicle‐stimulating hormone(FSHと略記)と黄体形成ホルモンluteinizing hormone(LHと略記)が規則正しく周期的に血中に分泌される。卵胞刺激ホルモンは卵胞を刺激して卵胞を成熟させる。…

【ゴナドトロピン】より

…生殖腺(性腺)刺激ホルモンともいう。脊椎動物では,脳下垂体前葉から分泌される卵胞(濾胞)刺激ホルモンfollicle‐stimulating hormone(FSHと略す)と黄体形成ホルモンluteinizing hormone(LHと略す)または間質細胞刺激ホルモンinterstitial cell‐stimulating hormone(ICSHと略す)の2種のホルモンと,胎盤から分泌される絨毛(じゆうもう)(膜)性ゴナドトロピンchorionic gonadotropin(CGと略すが,ヒトの場合はhCGと略す)が含まれる。ともに糖タンパク質で,ヒトのFSHは分子量約3万5000,LH,hCGは約3万である。…

【脳下垂体】より


[前葉と前葉ホルモン]
 腺下垂体の前葉からは数多くのホルモンが分泌されるが,現在までに完全にわかっているものは6種類である。すなわち,成長ホルモン,プロラクチン,副腎皮質刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,卵胞刺激ホルモン,黄体形成ホルモンである。このほか最近の説ではリポトロピンエンドルフィン,エンケファリンも分泌されるという。…

【卵巣】より

…一次卵胞は出生時には両側あわせて約40万個存在しているが,成人になるにつれて閉鎖退縮して数を減じ,閉経以後の婦人では見あたらない。卵巣の働きはこの卵胞と深く関係するが,それは脳下垂体前葉から周期的に分泌される2種の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン),すなわち卵胞刺激ホルモンFSHと黄体形成ホルモンLHによって支配されている。思春期になるとこれらのホルモンが分泌され始めるようになり,両ホルモン(おもに卵胞刺激ホルモン)の働きで,一次卵胞は成熟する。…

※「黄体形成ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android