出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…性周期は,間脳・脳下垂体‐卵巣系における神経系と内分泌系との間の,一種の生体自動調節機構によってもたらされるもので,脳の視床下部・脳下垂体前葉と卵巣とが相互に作用しあい,それぞれからのホルモン分泌が巧妙に調節されて起こる。
[月経周期]
間脳・視床下部の支配のもとに,脳下垂体前葉から,月経周期に応じて,2種類の性腺(または生殖腺)刺激ホルモン(ゴナドトロピン),すなわち卵胞(または濾胞)刺激ホルモンfollicle‐stimulating hormone(FSHと略記)と黄体形成ホルモンluteinizing hormone(LHと略記)が規則正しく周期的に血中に分泌される。卵胞刺激ホルモンは卵胞を刺激して卵胞を成熟させる。…
…生殖腺(性腺)刺激ホルモンともいう。脊椎動物では,脳下垂体前葉から分泌される卵胞(濾胞)刺激ホルモンfollicle‐stimulating hormone(FSHと略す)と黄体形成ホルモンluteinizing hormone(LHと略す)または間質細胞刺激ホルモンinterstitial cell‐stimulating hormone(ICSHと略す)の2種のホルモンと,胎盤から分泌される絨毛(じゆうもう)(膜)性ゴナドトロピンchorionic gonadotropin(CGと略すが,ヒトの場合はhCGと略す)が含まれる。ともに糖タンパク質で,ヒトのFSHは分子量約3万5000,LH,hCGは約3万である。…
…
[前葉と前葉ホルモン]
腺下垂体の前葉からは数多くのホルモンが分泌されるが,現在までに完全にわかっているものは6種類である。すなわち,成長ホルモン,プロラクチン,副腎皮質刺激ホルモン,甲状腺刺激ホルモン,卵胞刺激ホルモン,黄体形成ホルモンである。このほか最近の説ではリポトロピン,エンドルフィン,エンケファリンも分泌されるという。…
…一次卵胞は出生時には両側あわせて約40万個存在しているが,成人になるにつれて閉鎖退縮して数を減じ,閉経以後の婦人では見あたらない。卵巣の働きはこの卵胞と深く関係するが,それは脳下垂体前葉から周期的に分泌される2種の性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン),すなわち卵胞刺激ホルモンFSHと黄体形成ホルモンLHによって支配されている。思春期になるとこれらのホルモンが分泌され始めるようになり,両ホルモン(おもに卵胞刺激ホルモン)の働きで,一次卵胞は成熟する。…
※「黄体形成ホルモン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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