黒岡村(読み)くろおかむら

日本歴史地名大系 「黒岡村」の解説

黒岡村
くろおかむら

[現在地名]篠山市黒岡筋山すじやま

篠山城下北東郡家ぐんげ村の東に位置する。中世からみえる地名

〔中世〕

観応二年(一三五一)一一月六日の足利義詮御判御教書(醍醐寺文書)は、他の所領とともに黒岡を丹波国篠村しのむら八幡宮(現京都府亀岡市)の造営料所として、山城醍醐寺三宝さんぼう院賢俊坊雑掌に沙汰付けるように丹波守護仁木頼章に命じている。しかしこの命令は実行されなかったらしく、翌三年八月一一日の足利義詮御判御教書案および同年一一月三日の足利尊氏御判御教書(ともに同文書)で、再び黒岡などを篠村八幡宮社家雑掌に打渡すことを守護に指示しており、尊氏は一一月一二日に三宝院賢俊と義詮にそれぞれその旨を通知している(「足利尊氏御教書」同文書)。この問題はその後も尾を引き、貞治三年(一三六四)四月の三宝院雑掌申状(同文書)によれば、黒岡などを篠村八幡宮に寄進する御教書にもかかわらず、守護であった仁木氏が違乱したため、康安元年(一三六一)に重ねて寄進されたという。応永二年(一三九五)一二月には篠村八幡宮領黒岡一円を三宝院雑掌に沙汰付けるようにとの遵行状打渡状(同文書)が下され、翌三年一〇月二五日には守護に宛てた足利義満御判御教書(同文書)によって、改めて黒岡を含む篠村八幡宮領の役夫工米以下の諸役免除と守護役人夫などの催促停止が命じられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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