黒滝城跡(読み)くろたきじようあと

日本歴史地名大系 「黒滝城跡」の解説

黒滝城跡
くろたきじようあと

[現在地名]弥彦村麓 要害

弥彦山から南の国上くがみ山へ続く山脈の中ほど、標高二四六・六メートルの要害ようがいにある戦国期の山城。長さ三〇メートル・幅八メートルの本丸跡を中心に、山腹にかけて郭や土塁・空堀遺構があり、西方けんヶ峰(約三〇〇メートル)には出城と思われる跡が残る。館は東山裾のふもと集落に置かれていたらしい。永正七年(一五一〇)六月一二日の可諄(上杉顕定)書状写(新集古案)に「黒滝要害」とみえ、守護上杉房能を討った長尾為景攻撃のため越後にはいった関東管領上杉顕定の軍勢は阿賀野川以南の大部分を制圧し、当要害に八条修理・桃井一類を入れて守らせたとある。また同年とみられる六月一四日付の長尾為景書状(志駄文書)では、同月二日為景方の志駄源四郎が「黒滝」に移り、同六日渡部わたべ(現分水町)で戦ったことがみえ、当要害が天神山てんじんさん(現岩室村)とともに北陸道をおさえる西蒲原地域の軍事上の要地であったことをうかがわせる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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