黒部御厨(読み)くろべのみくりや

日本歴史地名大系 「黒部御厨」の解説

黒部御厨
くろべのみくりや

西黒部にしくろべ町・東黒部町付近の櫛田くしだ河口に成立した伊勢神宮領。沢氏古文書(内閣文庫蔵)所収の延徳二年(一四九〇)飯高飯野郡条里図にその名がみえる。西から飯高いいたか飯野いいの郡境の飯野郡側に黒部浜、飯野郡内の一指保・二中村・一松元の各里に黒部御厨、飯野・多気たけ郡境を越えて多気郡側に東黒部とある。黒部御厨の西側は新田・黒部浜(人家三軒が描かれている)を経て金剛こんごう川・愛宕あたご川の河口へ、北は松林を抜けて伊勢湾へ連なっている。また一指保の北、櫛田川河口東側に湊とある。河口付近には五軒の人家が描かれている。「神宮雑例集」には飯野郡の「二宮ノ御領」として黒部御厨がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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