金蔵寺(読み)こんぞうじ

日本歴史地名大系 「金蔵寺」の解説

金蔵寺
こんぞうじ

[現在地名]西京区大原野石作町

善峰よしみね川上流の小塩おしお山中腹にあり、本堂の位置は標高三六〇メートル余。西岩倉山と号し、天台宗本尊は十一面観音。寺伝では、養老二年(七一八)元正天皇の勅により定慧の弟子隆豊が開創し、神亀五年(七二八)聖武天皇から金蔵寺の額を下賜され、さらに天平元年(七二九)勅して華厳普門品等の諸経を書写させ、各地の名山霊地に埋蔵した寺院の一であるという。桓武天皇平安遷都の際、都の四方に経筒を埋めたときもその一寺に入り、西岩倉山の号を賜ったとされる。天台座主良源の弟子賀登が天徳二年(九五八)荒廃から中興して天台宗に改めるまでは、法相・三論宗であったという(「金蔵寺略縁起」雍州府志)


金蔵寺
こんぞうじ

[現在地名]生野町口銀谷

浄土真宗本願寺派、生宝山と号する。本尊は湛慶作と伝える阿弥陀如来。永久元年(一一一三)神子畑みこばた(現朝来町)に創建された智正開基の真言宗寺院を前身とし、承元年中(一二〇七―一一)に廃されたという。寛喜二年(一二三〇)播磨魚橋うおはし(現高砂市)領主原正信の子の伊賀守が中興、貞永元年(一二三二)伊賀守は親鸞の弟子真仏の縁で親鸞弟子となり、正円と号し、直筆九字名号と木造阿弥陀仏を下付され、天福元年(一二三三)金蔵寺の本尊にしたとする(寺伝では弘安五年正円開基という)。この九字名号は永仁三年(一二九五)三世正応の代に火災に遭うが、難を逃れて柳の木にかかったことから紺紙金泥柳の名号とよばれたという(「但馬史」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金蔵寺」の意味・わかりやすい解説

金蔵寺
こんぞうじ

香川県西部善通寺市北部にある集落。旧町名。古くは金倉郷といった。丸亀平野の西部にあり,四国八十八ヵ所第 76番札所金倉寺の門前町,および旧南海道の宿場町として発達。現在は JR予讃線の金蔵寺駅があり,国道 11号線と 319号線の分岐点で,ドライブインなどが多い。金倉寺の絹本著色『智証大師像』は重要文化財

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