メサバーデ国立公園(読み)メサバーデこくりつこうえん(英語表記)Mesa Verde National Park

改訂新版 世界大百科事典 「メサバーデ国立公園」の意味・わかりやすい解説

メサ・バーデ国立公園 (メサバーデこくりつこうえん)
Mesa Verde National Park

アメリカ合衆国,コロラド州南西端に位置し,1906年国立公園となった。48ヵ所ある国立公園のなかで唯一のインディアンの先史遺跡。2000年ほど前からバスケット・メーカーと呼ばれる農耕民がこの地区の岩陰に住みはじめたが,5~8世紀になると丸太で組んで泥を塗る住居をつくり,弓矢を用いるようになった。8世紀から12世紀にかけてメサ台地上に弓状に家の連なる村をつくり,その近くにトウモロコシなどの畑をつくった。12世紀に入ると,外敵に備えて崖の大きな岩陰を利用し,岩窟住居と呼ばれる石造の集落をつくる。最も有名なクリフ・パレスでは,3階建ての家など,200室以上の部屋と23の男性集会室(キーバ)がある。14世紀初頭に村は放棄され,1874年に白人が発見するまで廃墟となっていた。東西7km,南北4kmに散在する遺跡群を含む2万1000haの公園に管理事務所,博物館,宿泊施設,キャンプ場などが完備している。
プエブロ文化
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百科事典マイペディア 「メサバーデ国立公園」の意味・わかりやすい解説

メサ・バーデ国立公園【メサバーデこくりつこうえん】

アメリカ合衆国コロラド州南西端にある国立公園。標高2600m以上のメサ・バーデ高原にアメリカ・インディアンバスケット・メーカー文化にさかのぼる先史遺跡がある。メサ・バーデとはスペイン語で〈緑の台地〉の意。6−12世紀に建てられた住居跡が約3800,台地や険しい崖の下などに確認されている。大規模なものとして,石を積み上げた3階建てのクリフ・パレスがあり,これは200以上の部屋からなる複合住宅である。13世紀に20年以上にわたる日照りにみまわれ,14世紀初め住民は移住した。1978年,世界文化遺産に登録。

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