初矢峠(読み)はちやとうげ

日本歴史地名大系 「初矢峠」の解説

初矢峠
はちやとうげ

近世、下呂郷小川おがわ村から竹原たけはら乗政のりまさ村に至る間の南北なんぼく街道(竹原通)の峠。ヶ峰(標高一〇六六・八メートル)の南の鞍部(六五〇メートル)を越える。南北街道はもり村で飛騨街道(益田街道)から分れ、竹原郷を経て美濃国加子母かしも(現恵那郡加子母村)苗木なえぎ(現中津川市)方面へ通じる要路で、狭義には小川―初矢峠―乗政―宮地みやじ野尻のじり御厩野みまやの舞台ぶたい峠の間の道または小川村字大淵おおぶちから竹原川沿いに宮地村枝郷筑後ちくご川合かわいを経て宮地本村へ通じる道をさす。初矢峠―乗政―宮地までは飛騨街道の古道と重なっている。

筑後川合経由の道は悪路で危険が多いため初矢峠越が一般的であった。小川からの峠登り口付近には観音堂(解脱堂)があり、宝暦七年(一七五七)記銘道標が現存する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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