六訂版 家庭医学大全科 「8020」の解説
8020(ハチマルニイマル)
(歯と歯肉の病気)
「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という8020運動は、国民の歯の健康づくりを推進していく一環として1989年に提言されました。自分の歯が20本以上あると、ほとんどの食品を食べることが可能です。そして日本人の平均寿命が約80歳であることから、8020という目標値が掲げられています。2005年の歯科疾患実態調査によれば、80歳における自分の歯の数は、平均してまだ約9本という状況で、8020の達成者は少しずつ増えてきているものの約21%にすぎません。
食事や会話を楽しむことは、健康で快適な生活を送るために不可欠です。生涯にわたって生活の質(QOL)を高く維持し続けるには、歯や口の健康が必須といえます。8020達成者は健康状態が良好で、趣味も多く、活動的な傾向にあるとされています。8020を達成するには乳幼児期から高齢期に至るまで、それぞれの時期に応じた適切な歯や口の手入れが必要になります。
食事や歯磨きに注意するセルフケア(自己管理)と、歯科健診、歯科保健指導、歯石除去、歯科治療などのプロフェッショナルケア(専門家による処置)を組み合わせて実践することが、8020への近道です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報