デジタル大辞泉
「DMZ」の意味・読み・例文・類語
ディー‐エム‐ゼット【DMZ】[demilitarized zone]
《demilitarized zone》⇒非武装地帯
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知恵蔵
「DMZ」の解説
DMZ
条約・協定などによって、戦闘のための装備や軍事行動が禁止されている地域。Demilitarized Zoneの略。多くは、隣接および対立している国・地域の緩衝地帯に設けられている。イラクとクウェートの緩衝地帯、シリアとイスラエルの間のゴラン高原、北キプロス・トルコ共和国とキプロス共和国の緩衝地帯(通称グリーン・ライン)などが挙げられるが、南極大陸も南極条約(1961年発効)によって軍事利用が禁じられており、広い意味で非武装地帯に含まれる。
現在、最も緊張が高まっているのは、北朝鮮と韓国を隔てる軍事境界線(休戦ライン)沿いのDMZである。両国は50年6月に武力衝突を起こし、北朝鮮は中国人民義勇軍の支援、韓国は米軍を主力とする国連軍の支援をそれぞれ受け、大規模な国際紛争(朝鮮戦争)に突入した。53年7月、休戦協定が成立。北緯38度線に近い幅4キロメートルの地域(軍事境界線から南北2キロメートルずつ)がDMZに設定された。朝鮮半島を横切る総延長距離は約240キロメートルに及ぶ。DMZ内は軍隊の駐留や軍事施設の建造はもとより、一般人の出入りも厳しく統制されている。朝鮮戦争時に埋め込まれた地雷が数多く残っているが、豊かな自然も手つかずのままなので、野生動植物の宝庫になっている。
南北交渉の唯一の場であるパンムンジョム(板門店)には、軍事境界線を中心とした直径800メートルの共同警備区域(JSA)が設けられている。両国の事務・休憩施設や南北会談場などが建てられており、71年には公式の連絡ルートとなる南北直通電話も設置された。事務連絡は原則として、両国の担当者がこのホットラインを通じて行う。しかし、これまで何度も北朝鮮側から遮断されており、現在も、北朝鮮(金正恩体制)から2016年2月に遮断されて以来、不通になっている(17年9月末時点)。
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DMZ
DeMilitarized Zone(非武装地帯)の略。公開サーバーを設置する際、セキュリティを考慮して、LANとは別に設ける専用のネットワークセグメント。社内LAN上に存在する通常のクライアントPCと、外部インターネットから接続されるWebサーバーやメールサーバーなどのコンピューターを、同一ネットワーク上で共存させるのはセキュリティ上危険性が高い。そこで、クライアントPCなどが設置されたLANとは別に、インターネットからの接続を受け付けるサーバーなどを設置する専用のネットワークセグメントを作る。このセグメントが「DMZ」と呼ばれる。DMZによってネットワークを切り分け、その2つのネットワークの間で通信の制御を行なうことで、公開サーバーの設置に利用できるだけでなく、仮にサーバーが乗っ取られても被害がLAN内のクライアントにまで及ぶことを防止できる。DMZを構築する方法は2種類ある。1つはインターネットとDMZ、DMZとLANの間にそれぞれファイアウォールを設置するというもの。もう1つは、インターネットとLAN、DMZという3つのインターフェイスを持つファイアウォールを1つ設置する方法である。後者の場合、インターネットとDMZ、インターネットとLAN、そしてDMZとLANの3つのポイントでそれぞれ個別にルールを設定できるようになっている。
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