デジタル大辞泉
「食料安全保障」の意味・読み・例文・類語
しょくりょう‐あんぜんほしょう〔シヨクレウアンゼンホシヤウ〕【食料安全保障】
すべての人が常に健康で活動的な生活を送るために必要な、安全で栄養に富んだ食料を得られるようにすること。凶作や産出国の輸出制限など不測の場合にも、国が良質の食料の安定した供給を保障すること。
[補説]「食料・農業・農村基本法」の第2条で、食料の安定供給の確保について規定している。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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食料安全保障
国民が常に安全で栄養のある食料を入手できるよう国が対策を取ること。災害や紛争など不測の事態が起きても、最低限必要な分の確保を目指す。日本は食料の多くを輸入に依存しており、ウクライナ危機や気候変動問題を受け安定供給に対する懸念が高まっている。政府は自国の農業生産の拡大を基本とし、輸入と備蓄を組み合わせて安定的な確保を図る方針。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
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知恵蔵
「食料安全保障」の解説
食料安全保障
生存に必要な食料を、必要な時に安定的に入手できる権利。日本のような食料自給率の低い食料純輸入国では、セーフティーネットとしての一国食料安保が関心事となるが、世界的には飢餓・栄養不足が食料安保の課題と見なされている。世界ミレニアム開発目標は2015年までに世界の栄養不足人口を半減させるという目標を設けたが、なかなかその実はあがっていない。それどころか今後の人口増大や所得の上昇によって、世界の食料需要は長期的に増大すると見込まれているのに、農地・土壌や水など生産基盤の弱体化、地球環境問題(温暖化や気候変動、オゾンホールなど)による生産変動、「緑の革命」効果の一巡などの要因によって生産の大幅拡大は期待しにくく、食料安保が脅かされる恐れがある。実際、コメの重要性に着目した「国際コメ年2004」(2002年12月の国連総会で採択)などの取り組みにもかかわらず、米国農務省の資料によると、世界の穀物在庫は1995穀物年度以降全体的には減少・横ばい気味で推移し、07/08年度には、3.1億tになると予測されている。2年前に割り込んだ4億t水準に戻るどころか、3億tさえも下回りかねない段階に来ている。その背後には、トウモロコシを原料とするバイオエタノール生産の急増と中国を含む東アジアが世界最大の穀物輸入地域に転換しているという市場構造の変化がある。加えて、米国農務省による07年9月12日の発表では08年5月末の世界の小麦在庫が30年ぶりの低水準となる見通しで、国際価格は過去最高価格を上回る水準で推移している。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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