N,N-ジメチルホルムアミド(読み)ジメチルホルムアミド

化学辞典 第2版 の解説

N,N-ジメチルホルムアミド
ジメチルホルムアミド
N,N-dimethylformamide

C3H7NO(73.10).(CH3)2NCHO.略称DMF.代表的な極性有機溶媒の一つ.工業的には,メタノールアンモニアとの反応で生成するジメチルアミンに,ナトリウムメチラート触媒を加え,加圧下で一酸化炭素と反応させて製造される.融点-61 ℃,沸点153.0 ℃.引火点67 ℃.0.9445.1.4269.有機合成では極性化合物の溶媒として広く用いられるほか,芳香族化合物の核ホルミル化,その他,活性水素のホルミル置換の試薬として使用される.ガスクロマトグラフィーではガス状炭化水素分析用の固定相液体として有効である.また,ポリアクリロニトリル良溶媒で,アクリル系合成繊維ではこれを紡糸溶剤に用いているものが多い.石油化学工業では,ナフサ分解で副生する C4 留分中のブタジエン,C5 留分中のイソプレンの抽出溶剤に用いられ,日本ゼオン社が開発したDMFによる抽出蒸留法(GPB法,GPI法)が工業的に実施されている.[CAS 68-12-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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