BMX(読み)びーえむえっくす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「BMX」の意味・わかりやすい解説

BMX
びーえむえっくす

直径20インチか、24インチの太い車輪が付けられた小型の競技専用自転車、およびこの自転車を用いた競技。バイシクルモトクロスbicycle motocrossの略である。きわめて頑丈な太い小型のフレームをもつが、マウンテンバイクMTB)のようなサスペンション変速機はなく、競技専用の特殊な部品以外は自転車の基本パーツだけで構成されている。

 BMXの競技には、コースで着順を競うレースと技の難易度を競うフリースタイルがある。BMXレースは2008年のオリンピック北京(ペキン)大会から自転車競技の正式種目になった。レースは300~400メートルの起伏のあるコースで行われ、最大8人が一斉にスタートし、所要時間に関係なくゴールした順位勝敗を決定する。オリンピックや世界大会のように難度の高いレイアウトのコースで行われるレースはスーパークロスsupercrossとよばれる。フリースタイルの競技は規定時間内に「トリック」とよばれるさまざまな技を繰り出し、その速さや高さ、組み合わせ、過激さなどが審査され、そのポイントで順位を競う。主として、平坦(へいたん)な舗装路を舞台にしたフラットランドと、クォーターパイプ、ピラミッドなどのセクション(構造物)からなるフィールド演技をするパークに分かれる。パークは2020年のオリンピック・東京大会(2021年開催)から自転車競技の正式種目に採用された。

 BMXは、1970年代初頭にアメリカ西海岸で、オートバイを使ったモトクロスの乗り手にあこがれた子供たちが、小型自転車で模倣することから始まった。その後、アメリカ全土へと広がり、1974年に全米BMX協会(National Bicycle Association:NBA)が発足。1982年に第1回目の世界選手権が開かれた。日本では1982年(昭和57)に公開されて大ヒットしたアメリカ映画『E.T.』で、子供たちが乗っていたBMXが話題となり、広く知られるようになった。その後、1984年に全日本BMX連盟(JBMXF)が発足し、1989年(平成1)の世界選手権(オーストラリア)に初めて3人の日本選手が参加した。

[編集部 2022年2月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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