C3植物(読み)シーサンショクブツ

デジタル大辞泉 「C3植物」の意味・読み・例文・類語

シーさん‐しょくぶつ【C3植物】

葉緑体葉肉にのみ存在し、還元的ペントース燐酸りんさん回路によって炭酸ガスを固定する植物。回路の最初に生じるのが炭素数3個の三ホスホグリセリン酸なのでいう。クロレラなどの藻類イネコムギダイズや、樹木

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精選版 日本国語大辞典 「C3植物」の意味・読み・例文・類語

シーさん‐しょくぶつ【C3植物】

  1. 〘 名詞 〙 葉緑体が葉肉にのみ存在し、還元的ペントース燐酸回路によって炭酸ガスを固定する植物。回路の最初に生じるのが炭酸数三個の三ホスホグリセリン酸なのでいう。クロレラなどの藻類、イネ、コムギ、ダイズや樹木など。

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百科事典マイペディア 「C3植物」の意味・わかりやすい解説

C3植物【シーさんしょくぶつ】

光合成における炭酸固定経路としてカルビン回路を用いる植物。初期産物の炭素数が3であるためこう呼ばれる。樹木と藻類のすべておよび大部分草本(そうほん)はC3植物である。C4植物に比べて光合成能力は劣る。
→関連項目光合成

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改訂新版 世界大百科事典 「C3植物」の意味・わかりやすい解説

C植物 (シーさんしょくぶつ)

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世界大百科事典(旧版)内のC3植物の言及

【光合成】より

…光(ひかり)合成ともいう。植物が光のエネルギーを利用して二酸化炭素CO2と水H2Oから有機化合物を合成する過程。その反応は炭酸固定の代表的な例で,より一般的には,光のエネルギーを利用してCO2を還元する過程をいう。ファン・ニールvan NielはCO2+2H2A―→(CH2O)+2A+H2Oを光合成の一般式として提唱している(1929)。光合成細菌(緑色硫黄細菌,紅色硫黄細菌などの硫黄細菌,紅色無硫黄細菌)は,水素供与体として水ではなくH2S,H2S2O3,H2,有機化合物などを用いる。…

【C₄植物】より

…多くの植物の光合成における炭酸固定経路がカルビン回路(還元型ペントース回路)であることは1946年以来,M.カルビンらの研究によって確認された。ところが65年にコーチャックH.P.Kortschakはサトウキビでは炭酸固定がC4ジカルボン酸回路(ハッチ=スラック回路)によって行われることを明らかにし,その後,このほかにも200種ほどの草本でこの回路による炭酸固定を行うものがあることを確かめられた。C4ジカルボン酸回路によって炭酸固定を行う植物は,その初期産物がリンゴ酸,アスパラギン酸であり,これらの炭素数から,C4植物と呼ばれている。…

※「C3植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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