化学辞典 第2版 「D-ガラクツロン酸」の解説
D-ガラクツロン酸
ガラクツロンサン
D-galacturonic acid
C6H10O7(194.14).ガラクトースのウロン酸.D-ガラクツロン酸は,ペクチン,植物粘質物,細菌の多糖類などの構成成分である.ペクチン質中のペクチン酸を酸で加水分解すると得られる.α形(一水和物)は分解点159~160 ℃(110 ℃ で軟化).+107.0→+51.9°(水).β形(無水物)は分解点166 ℃.+27→+56.7°(水).α形の結晶水が除去しがたいこと,シッフ試薬をβ形はゆっくり発色させるが,α形の場合はすみやかなことなどから,α形は環状のヘミアセタール構造ではなく,鎖状構造をとると考えられている.両形ともフェーリング液を冷時還元する.塩酸と熱すると容易に二酸化炭素とフルフラールに分解するので,この反応はガラクツロン酸の定性,定量に利用される.[CAS 685-73-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報