DirecPC

ASCII.jpデジタル用語辞典 「DirecPC」の解説

DirecPC

通信衛星(CS)を利用して、Internetアクセスなどの双方向のコンピューター通信を可能にするシステム。米国Hughes Network Systems(HNS)社によって開発された。DirecPCでは、データを衛星から受信するためのパラボラアンテナを設置し、専用のインターフェイスカード(ISAカード)とアンテナを接続することで、データの受信が可能になる。このパラボラアンテナとインターフェイスカード、ソフトウェアなどをセットにしたものは、DirecPC Access Kit(DAK)と呼ばれる。衛星経由でPCに配信されるデータは、NOC(Network Operation Center)と呼ばれる地上局から衛星に向けてアップされる。DirecPCのデータ通信サービスは、衛星からPCへのデータ転送のみを行なうパッケージデリバリーサービスと、双方向通信であるInternetアクセスサービスの2つに大別される。このうちパッケージデリバリーサービスでは、多地点にあるクライアントに向けて、同一のデータを同時に配信できる。この場合のデータ転送速度は3Mbps。通信コストは、転送するデータの容量に比例するので、受信するクライアントが多ければ多いほど、1クライアントあたりの通信コストは低下する。パッケージデリバリーの典型的な用途としては、全国に散在する支店に、大量のデータを配信するなどがあげられる。一方のInternetアクセスサービスでは、WWWや電子メールなど、通常のInternetアクセスを衛星経由で行なう。この場合、InternetからPCへのダウンリンクには衛星を利用するが、PC→Internetのアップリンクについては、モデムTAなどの通信デバイスと、Internet接続のためのISP(Internet Service Provider)を用意する必要がある。パッケージデリバリーとは異なり、この場合の衛星→PCのダウンリンクのデータ通信速度は400kbpsになる。なおDirecPCは、局側とクライアント側システムの名称であり、これらはHughes社からライセンス販売されている。実際にデータ通信サービスを行なうのは、Hughes社自身ではない場合もあり、サービス会社が異なれば、通信に利用するNOCや衛星も異なることになる。実際国内では、複数のサービス会社がDirecPCを利用したデータ通信サービスを行なっている。

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