EDI(読み)いーでぃーあい(英語表記)electronic data interchange

日本大百科全書(ニッポニカ) 「EDI」の意味・わかりやすい解説

EDI
いーでぃーあい
electronic data interchange

電子データ交換。企業間での商取引のためのデータを、通信回線を介してコンピュータ間で交換すること。双方で事務・業務の効率化が一挙に進む効果が期待できることから、データ様式・プロセスの標準化やインターネット回線の活用が増えるにしたがって、2000年代に入ってからの導入が加速している。交換するデータは、見積り作成に始まって受発注、請求・決済に至るまで、取引のあらゆる領域に及ぶ。EDI導入の効果は、少量多頻度発注、少量多品種生産、物流小口化などに対応できることから、ジャスト・イン・タイム(必要なものを、必要なときに、必要なだけ調達すること)やサプライチェーン・マネジメントSCM。生産、販売、流通一体化した供給連鎖管理)の最適化が進められ、在庫圧縮や欠品防止などが可能になる。それだけでなく、業務自動化・ペーパーレス化で副次的に人為ミスが排除できる。EDIはメーカー、物流業界から始まった事務・業務基盤技術であるが、日本の低生産性部門といわれてきたサービス業界でも、導入を検討する企業が増えつつある。

[原 正輝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「EDI」の意味・わかりやすい解説

EDI
イーディーアイ
electronical data interchange

電子データ交換ともいわれる。異なる企業間で注文書や売上データなど商取引のためのデータを通信回線を介してコンピュータ間で交換すること。 EDIの活用によって情報伝達が迅速となり,さらに POSシステムと組合せることにより納期短縮や余剰在庫の削減などが可能となる。業界内で情報交換の規格を統一し EDIをうまく活用した例として,アメリカのアパレル業界と小売業が開発したクイック・レスポンス (QR) が有名である。同様に国際的な EDIの進展にはプロトコルの標準化が必要であるが,国連のヨーロッパ経済委員会でその標準化が進められ,1988年には EDIFACTの名称で国際標準化機構 ISO承認を受け,国際規格として公開されている。

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