iPad(読み)あいぱっど

共同通信ニュース用語解説 「iPad」の解説

iPad(アイパッド)

アップルタブレット端末。2010年春に発売。創業者の故スティーブ・ジョブズ氏は同年の発表会で、ノートパソコンスマートフォンの中間のカテゴリーと紹介。使いやすい大きなタッチ画面が特徴で急速に普及が進み、ビジネスや教育現場での利用も広がった。近年はスマホの大画面化に加え、米グーグルの端末などとの競争激化で販売が苦戦。専用のペンやキーボード対応の高級機種を発売するなど特色を出す戦略を進めている。(シカゴ共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「iPad」の意味・わかりやすい解説

iPad
あいぱっど

アップル社が提供しているタブレット型端末。2010年1月に発表し、4月にアメリカで発売。日本でも同年5月からソフトバンクモバイルが販売を開始した。

 初代のiPadは、本体サイズが242.8×189.7×13.4ミリメートル、重量680グラム(3Gモデルは730グラム)、マルチタッチ対応の9.7インチディスプレーであった。アップル社では、iPod touch(アイポッドタッチ)(タッチパネル操作ができるポータブルメディアプレーヤー)やiPhone(アイフォーン)(スマートフォン)の流れをくむ製品と位置づけており、初代機はiPhone OS 3.2を搭載していた。以降の機種は、アップル社の他の携帯端末と同様にiOS(アイオーエス)が組み込まれている。B5サイズ(257×182ミリメートル)に近い大きさのパソコンを指だけで操作する簡便さが受け入れられ、発売以来、タブレット型端末を代表する製品となっている。

 当初は個人や家庭向けの携帯端末という位置づけであったが、iPadやiPhoneを使った企業向け事業が登場して、業務用ツールとしても広く使われるようになった。また、政府による学校へのICT(情報通信技術)導入政策で、タブレット型端末の利用を推進したこともあり、教育現場などでの活用も増えている。

 2012年にはiPadのコンパクト版ともいえるiPad mini(ミニ)が登場した。A6サイズより少し小さい本体サイズ(200×134.7×7.2ミリメートル)で7.9インチディスプレーを搭載。iPadより持ち運びやすいこともあり、小型タブレット型端末の中心的な存在になっている。

[編集部]

資料 iPadの各モデル

iPad 2010年発売の初代機。本体サイズ:242.8×189.7×13.4ミリメートル、重量:680グラム(3Gモデルは730グラム)、9.7インチディスプレー、iPhone OS 3.2搭載
iPad2 2011年発売。この機種からiOSになり、カメラがついた。本体サイズ:241.2×185.7×8.8ミリメートル、重量:601グラム(3Gモデルは613グラム)、9.7インチディスプレー、iOS 4.3搭載
iPad(第3世代) 2012年発売。このモデルから高精細のRetina(レティーナ)ディスプレーを搭載した。本体サイズ:241.2×185.7×9.4ミリメートル、重量:652グラム(4Gモデルは662グラム)、iOS 5.1搭載
iPad(第4世代) 2012年発売。第3世代の後継機で、本体サイズ、重量、ディスプレーなどの本体スペックは第3世代と同じ。CPU(中央処理装置)やOSがバージョンアップしたほか、コネクタがLightning(ライトニング)コネクタに変更された。iOS 6搭載
iPad mini 2012年発売。本体サイズ:200×134.7×7.2ミリメートル、重量:308グラム、7.9インチのLED(発光ダイオード)バックライトディスプレー、iOS 6搭載
iPad Air 2013年発売。第5世代にあたる。第4世代よりひと回り小さくなり、厚みが20%、重量が28%軽減されている。本体サイズ:240×169.5×7.5ミリメートル、重量:469グラム(4Gモデルは478グラム)
iPad mini(第2世代) 2013年発売。本体サイズ:200×134.7×7.2ミリメートル、重量:331グラム(Wi-Fi + Cellularモデルは341グラム)、7.9インチRetina(レティーナ)ディスプレー、iOS 7搭載

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「iPad」の解説

iPad

2010年にApple社が発売するタブレット型デバイスの名称。同社のスマートフォン「iPhone」とノートパソコン「MacBook」の間に位置する新ジャンルの製品として注目されている。3G回線による音声通話機能はない。
マルチタッチスクリーンの9.7インチ液晶や、Bluetooth 2.1 + EDR、iPhone 3GSと同様の加速度センサーデジタルコンパス、マイク、スピーカー等と、Apple社が独自にデザインした「Apple A4」と呼ばれるプロセッサーを搭載。ソフトウエアにいたっては、ブラウザ「Safari」やメーラー、iPod touchと同様の写真、ビデオ、音楽再生機能の他に、電子書籍リーダー機能を標準装備している。内蔵メモリーは16GB/32GB/64GBの3種類があり、Wi-Fi(無線LAN 802.11 a/b/g/n)モデルとWi-Fi+3G搭載モデルの2種類が販売される。AppleStoreにある15万以上のアプリケーションのほとんどが利用可能で、さらに、プレゼンテーション「Keynote」、文書作成「Pages」、スプレッドシート「Numbers」を1つにしたMacでおなじみの仕事効率化アプリケーション「iWork」がiPad用に再設計され販売される。
iPadは大画面ゆえに、モバイルパソコンやスマートフォンのように常に持ち歩くには不便だが、家庭内や旅行先でのウェブページ閲覧や音楽や動画、写真鑑賞ではパソコンよりも気軽に扱え、満足いく映像が楽しめるデバイスと言える。また、iPadには電子書籍の標準規格ePubフォーマットに対応したアプリケーションiBooksが用意されており、電子書籍リーダーとしての需要も見込んでいる(2010年3月現在、米国のみApp Storeより無料ダウンロードにて提供される予定)。電子書籍リーダーとして先行するKindleやソニー・リーダーは、電子ペーパーを使ったデバイスであり、液晶を使ったiPadよりも、長時間の読書では目が疲れにくいといった利点を持つ。しかし、電子ペーパーを使った製品は今のところモノクロのみであることから、雑誌のようにカラフルな読み物ではiPadに分がある。
なお、iPadの国内販売は2010年4月末の予定。

(横田一輝  ICTディレクター / 2010年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「iPad」の解説

iPad

アップル社が開発した、タブレット型の薄型コンピューター(製品発表は2010年1月)。液晶ディスプレー上を指で操作するマルチタッチスクリーンを搭載する。本体サイズは、幅189.7×高さ242.8×厚み13.4mm、重量は730g(3G対応モデル)。無線通信機能を備え、Webブラウズ/メール/写真とビデオの再生、ゲーム??などのほか、多数のiPhone用アプリケーションが使える。3G対応モデルもある。電子書籍リーダーとしても利用可能。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

IT用語がわかる辞典 「iPad」の解説

アイパッド【iPad】

アップルが開発したタブレットPC。ノート形状の筐体(きょうたい)の前面が液晶画面で、表示と入力の2つの機能を備えたタッチパネルになっている。おおかたの操作は、この液晶画面でおこなうことができる。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「iPad」の解説

iPad

アップルが開発したタブレット端末で、小型のiPad miniもあります。電話の機能はありませんが、スマートフォンであるiPhoneを大きくして、大画面化したものと考えてよいでしょう。iPhoneと同様に画面を指でタッチして操作します。
⇨iPhone、スマートフォン、タブレット

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

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