日本大百科全書(ニッポニカ) 「Miracast」の意味・わかりやすい解説
Miracast
みらきゃすと
無線LAN(ラン)で動画を伝送する通信方式の規格。スマートフォンやタブレット型端末、パソコンなどの情報機器と、テレビやプロジェクターをはじめとする映像出力機器などとの間で、異なるメーカーの製品間でも相互接続を可能にし、動画や写真などを伝送する。非営利の業界団体Wi-Fi Alliance(ワイファイアライアンス)の認定規格で2012年に発表された。アクセスポイントやルーターなどを経由せず、端末同士を一対一で無線接続できるWi-Fi Direct(ワイファイダイレクト)規格を基盤としている。通信データはWPA 2(Wi-Fi Protected Access 2)の暗号化によって保護され、デジタル著作権管理(DRM:Digital Rights Management)に対応する。そのため、映画やコピーガードを施されたコンテンツのストリーミング再生が可能であり、スマートフォンで受信しているフルハイビジョンの動画を大画面テレビに表示したり、テレビで受信している番組をそのままタブレット型端末に送信したりといった、機器間での自由な視聴環境をワイヤレスブロードバンドで実現する。
グーグル社はスマートフォンやタブレット型端末用のOS、Android(アンドロイド) 4.2においてMiracast規格に対応させた。これが契機となり、テレビやケーブルテレビなどのセットトップボックス(STB:Set Top Box)、パソコンなどでも同規格への対応が進んでいる。
[編集部]