n6系脂肪酸(読み)エヌマイナスロクケイシボウサン

デジタル大辞泉 「n6系脂肪酸」の意味・読み・例文・類語

エヌマイナスろくけい‐しぼうさん〔‐シバウサン〕【n-6系脂肪酸】

多価不飽和脂肪酸うちメチル基側の末端から6番目の炭素二重結合があるもの。リノール酸γ-リノレン酸アラキドン酸など。ω-6脂肪酸

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「n6系脂肪酸」の意味・わかりやすい解説

n-6系脂肪酸
えぬろくけいしぼうさん

多価不飽和脂肪酸の一つで、かつてはオメガ6脂肪酸ともよばれていた。n-3系脂肪酸と同様にヒトの体内で合成できず、食物などから摂取する必要があるため必須脂肪酸(ひっすしぼうさん)とよばれる。n-6系脂肪酸にはアラキドン酸やリノール酸がある。アラキドン酸は生体膜グリセロリン脂質を構成する成分で、ブタウシレバーや卵などの食品に多く含まれる。一部のアラキドン酸は遊離してエイコサノイドに変換され、さまざまな生理作用に関与している。リノール酸は紅花サフラワー)油などに多く含まれ、血中コレステロール値を下げる働きがある。

 しかし一方で、n-6系脂肪酸の過剰摂取が人体にとって有害である可能性も指摘されている。日本人の食生活の変化により、植物油や動物の脂に含まれるn-6系脂肪酸は十分に摂取されているが、魚をあまり食べなくなったことも影響してn-3系脂肪酸の摂取が減り、バランスが崩れてきている。健康維持のためには、それぞれを適正な比率で摂取する必要がある。

[編集部 2017年4月18日]

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