t-ブチル-4-メトキシフェノール(読み)ブチルメトキシフェノール

化学辞典 第2版 の解説

t-ブチル-4-メトキシフェノール
ブチルメトキシフェノール
t-butyl-4-methoxyphenol

C11H16O2(180.2).略称BHA.酸触媒存在下でp-ヒドロキシアニソールにブチレンを作用させて合成される.2-t-ブチル-4-メトキシフェノール(a)と3-t-ブチル-4-メトキシフェノール(b)の混合物.白色結晶.融点57~65 ℃,沸点264~270 ℃(98 kPa).わずかに特異な臭気と刺激性の味をもち,油脂,パラフィン,プロピレングリコールアセトンエタノールに可溶,水に難溶.1982年,ラットの胃部に発がん性が報告され,日本では,油脂の製造に用いられるパーム原料油にのみ酸化防止剤としての使用が認められている.WHOなどによる安全性評価により,ADI(1日摂取許容量)が0~0.5 mg/kg とされている.酸化防止の効力は,(b)が(a)の1.5~2倍,製品中の含量は(b)が95~99% 程度である.LD50 1100 mg/kg(マウス,経口),2000 mg/kg(ラット,経口).[CAS 25013-16-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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