精選版 日本国語大辞典 「アセトン」の意味・読み・例文・類語
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もっとも簡単で、またもっとも重要なケトン。ジメチルケトン、プロパノンともいう。木酢(もくさく)液の中に含まれるほか、生体内にもケトン体(アセトン体)として、血液や尿の中に微量含まれている。
1910年代までは酢酸カルシウムの乾留によって製造していたが、その後炭水化物の発酵によってブチルアルコールとアセトンとを同時に得るアセトンブタノール発酵が開発された。現在では のように、石油化学の産物であるプロピレンを部分酸化するヘキスト‐ワッカー法(赤色で示した経路)、ベンゼンとプロピレンを原料としてフェノールとアセトンを同時に合成するクメン法(青色で示した経路)により工業生産されている。無色で揮発性の液体で、水、エタノール(エチルアルコール)、エーテルには任意の割合で混じり合う。エーテルに似たにおいをもち、麻酔作用がある。還元性がないのでフェーリング液などとは反応しない。ケテンを経て無水酢酸を合成する原料となるほか、メタクリル酸メチル、ビスフェノールA、アスコルビン酸(ビタミンC)などの合成原料となる。
溶剤としての用途も広く、合成樹脂、ゴム、油脂、塗料の溶剤となるほか、アセチルセルロース、ニトロセルロースなどの溶剤としても使われる。マニキュアの除光液としても使われている。引火性が強いうえ、蒸気が空気と混じると爆発しやすい(爆発範囲2.55~12.8容量%)ので、取り扱うときには火気に注意しなければならない。
[廣田 穰]
C3H6O(58.08).CH3COCH3.2-プロパノン(2-propanone),ジメチルケトン(dimethyl ketone)ともいう.かつては炭水化物のアセトン-ブタノール発酵,イソプロピルアルコールの脱水素などで製造されたが,現在ではヘキスト-ワッカー法により,プロペンを塩化パラジウム(Ⅱ)と塩化銅(Ⅱ)の水溶液を触媒として,空気または酸素で部分酸化して合成される.また,クメン法によるフェノールの合成において副生し,工業製品としてはこのクメン法によるものが大部分を占める.エーテル臭をもつ無色の液体.融点-94.6 ℃,沸点56.5 ℃.0.7898.
1.3591.水,エタノール,エーテルなどに易溶.高温で熱分解するとケテンとメタンが生成する.工業的にアセチルセルロース,ニトロセルロース,アセチレンなどの溶剤として大量に使用され,そのほか,有機溶剤として多方面の用途がある.また,メタクリル酸エステルの合成原料として重要で,ケテンを経て無水酢酸の製造にも利用される.[CAS 67-64-1]
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…また圧縮すると分解,爆発を起こしやすい。そこで,アセチレンをボンベ(高圧容器)に充てんするときは,ボンベ中にケイ藻土やアスベスト(石綿)を詰め,アセトンをしみこませたうえ,アセチレンを10~15気圧まで充てんする。アセトンはアセチレンのよい溶媒であり,15℃ではアセトン1容にアセチレン25容が溶解する。…
…クメンは,重要な有機工業化学製品の一つであり,ベンゼンとプロピレンから,酸触媒(液相法では硫酸あるいは塩化アルミニウム,気相法ではリン酸‐担体)を用いて製造される。クメンを原料として,いわゆるクメン法により,フェノール(石炭酸))とアセトンが製造される。この方法は,クメンを酸素で酸化しクメンヒドロペルオキシドとし,これを酸触媒で分解するもので,得られる生成物のフェノールは数工程を経てナイロン6の原料に,またアセトンも重要な合成樹脂製造原料であるメタクリル酸メチルに変換される。…
…ケトンはカルボニル基の極性によって,分子量が類似した炭化水素より沸点が高くなる。またカルボニル基の酸素原子は水と水素結合を形成するため親水性を示し,低分子量のケトン(たとえばアセトン)は水によく溶ける。代表的なケトンには表に示すようなものがあるが,このほか天然にも香料として知られるムスコン,ジャスモンや,ステロイドホルモンであるエストロン,アンドロステロンがあり,また抗生物質,テルペンなどにも多く存在する。…
※「アセトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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