20世紀西洋人名事典 「U.ベッティ」の解説
U. ベッティ
Ugo Betti
1892.2.4 - 1953.6.9
イタリアの劇作家。
カメリーノ生まれ。
第一次大戦で捕虜となり、戦後は判事を務める傍ら、詩集「沈黙の王」(1922年)など書く。その後、「女主人公」(’27年)で劇作家としてデビューし、劇文学賞を受賞。以後、「鴨の猟人」(’40年)、「監査」(’47年)などを発表する。舞台を法廷に見立て、現代人の悲劇性をえぐるが、いずれも終幕近くに微かな希望の光が差して、運命の不可抗力に対する救いとなる筋立てである。晩年には判事の経験をもとにして、「雄山羊が島の犯罪」(’48年)、遺作「焼けた花壇」(’52年)などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報