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不可抗力 フカコウリョク

デジタル大辞泉の解説

ふかこう‐りょく〔フカカウ‐〕【不可抗力】

人間の力ではどうにもさからうことのできない力や事態。「あの事故は不可抗力だ」
法律で、外部から発生した事実で、普通に要求される注意や予防方法を講じても、損害を防止できないもの。債務不履行不法行為の責任を免れるとされる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ふかこうりょく【不可抗力】

地震,台風などの天災地変のように,有害な結果をもたらすできごとであって,社会観念上その結果を防止するために通常の人に期待される最高の注意を払い,いっさいの方法を尽くしても,なお避けることのできないものをいう。一般に,法律上の責任,義務,不利益を免れさせるという法律効果をもつ。なお,当事者の病気や企業施設の瑕疵(かし)など内部事情によるものは,たとえ過失によらなくとも不可抗力とはいえない。
沿革
 日常用語としても使われるが,法律上とくに重要な概念である。

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大辞林 第三版の解説

ふかこうりょく【不可抗力】

天災地変など人力ではどうすることもできないこと。
〘法〙 通常、必要と認められる注意や予防方法を尽くしても、なお損害を防ぎきれないこと。債務不履行・不法行為の責任を免れる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

不可抗力
ふかこうりょく

外部からの事変であっていっさいの方法を尽くしても損害の発生を防止しえないようなものをいう。たとえば、一定の物を送付すべき債務を負う場合に、大地震で交通機関が断たれて送付できなかったような場合である。
 不可抗力は、民法、商法上、種々の場合に規定されているが、多くの場合、契約責任や不法行為責任を免れさせ、あるいは責任を軽減させる。たとえば、債務(金銭債務以外)の履行遅滞があっても、不可抗力であると責任を負わなくてよい(民法419条3項の反対解釈)し、収益を目的とする土地の賃借人が不可抗力により借賃より少ない収益を得たときは、収益の額まで減額を請求できる(同法609条)。不法行為でも、不可抗力が競合したときには、不可抗力が寄与した部分を判断してその部分を損害賠償額から減ずるべきだとする考え方がある。また、手形・小切手の保全手続が不可抗力で妨げられたときは、保全期間を伸長し、あるいは保全手続を免除する(手形法54条、小切手法47条)。
 しかし、不可抗力が、責任に影響を与えない場合も少なくない。たとえば、永小作人は不可抗力で収益につき損害を受けたときでも、小作料の免除または減額を請求できないし(民法274条)、転質をしたものは不可抗力による損失についても責任を負う(同法348条)。[淡路剛久]

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