vasoactive intestinal polypeptideの略称.血管作動性腸管ポリペプチド.28個のアミノ酸残基からなり,C末端がアミド化されている.
ブタの腸管からはじめて単離されてこの名が付けられた.実際には神経伝達物質としてはたらき,種々の生理作用(血管や気管支の拡張,膵液・腸液の分泌促進,グリコーゲン分解促進,ペニスのぼっ起など)を発揮する.VIPの過剰分泌は下痢とそれに伴う電解質ロスを起こす.[CAS 37221-79-7]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
…消化管が食物の消化・吸収のみならず,内分泌機能を営んでいることが明らかになったのは,1902年のベーリスW.M.BaylissとスターリングE.H.Starlingによるセクレチンの発見に始まる。ついで05年にガストリンが発見されたが,現在,消化管ホルモンとして上記の二つのほかにコレシストキニン‐パンクレオチミンcholecystokinin‐pancreozymin(CCK‐PZ),GIP(gastric inhibitory polypeptide,胃酸分泌抑制ペプチド),VIP(vasoactive intestinal polypeptide,血管作動性腸管ペプチド),モチリン,ソマトスタチンなどが知られている。最近では,これらの消化管ホルモンが脳内にも存在することがわかり,また逆に脳で発見されたホルモンが消化管にも存在することが判明したので,これらのホルモンは脳‐腸管ペプチドbrain‐gut peptideと呼ばれることもある。…
…水様性下痢watery diarrhea,低カリウム血症hypokalemia,無酸症achlorhydriaをおもな症状とする病気で,それらの頭文字をとって名づけられた。膵臓の腫瘍がVIP(vasoactive intestinal polypeptideの略)とよばれる物質を産生することによって起こる。VIPはガストリンと同じく消化管ホルモンの一つであり,本症候群はゾリンジャー=エリソン症候群と並んで消化管ホルモン産生腫瘍とよばれている。…
※「VIP」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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