X線描法(読み)エックスせんびょうほう

改訂新版 世界大百科事典 「X線描法」の意味・わかりやすい解説

X線描法 (エックスせんびょうほう)

X線でとらえたように,事物を透視して外観内部を同時に描く方法アボリジニー岩面画や樹皮画,アメリカ・インディアン土器極北美術の岩面画など,原始美術に頻出する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「X線描法」の意味・わかりやすい解説

X線描法
エックスせんびょうほう
X-ray style

動物,魚などの体内が透かして描かれる描写法。原始未開絵画にしばしばみられる。エスキモーニューアイルランド島オーストラリアでは,動物や魚の絵が骨格内臓までまるでX線で写したように克明に描かれている。

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世界大百科事典(旧版)内のX線描法の言及

【アボリジニー】より

…岩壁画はオーストラリア全土に広く分布しているが,北部ではウォンジナなどの描出をともなう自然主義的様式が支配的で,南部では円,渦巻,波状線などによる幾何学的な線画が多い。奥行きの浅い洞窟や岩陰に描かれ,外からは見えない身体内部の内臓などを図式的にあらわす,いわゆるX線描法が見られる。この描法は,樹皮画にも用いられる。…

※「X線描法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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