朝日日本歴史人物事典 「ニコラオ」の解説
ニコラオ
生年:1560
イタリア人イエズス会宣教師,画家。ナポリ生まれ。1580年イエズス会に入会。天正11(1583)年,日本からの画家要請によって来日。最初の1年長崎と有馬の教会の祭壇画を1枚ずつ描き,同12年から同15年まで京都に滞在。同年伴天連追放令により九州に赴く。文禄1(1592)年,セミナリオ(神学校)での絵画,銅版画,工芸の教授課程設置に伴い,天草,島原半島にある志岐,八良尾,有家,有馬,長崎の各セミナリオで指導に当たり,遠近法,陰影法といった西洋画技法を日本人に伝える。その門下にキリシタン画家の丹羽ヤコブなどがいたらしい。慶長19(1614)年の禁教令によりマカオに追放され,彼の地で死去。<参考文献>坂本満『南蛮美術』
(宮崎賢太郎)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報