フランツヨシフ諸島(読み)フランツヨシフしょとう(英語表記)Zemlya Frantsa-Iosifa

改訂新版 世界大百科事典 「フランツヨシフ諸島」の意味・わかりやすい解説

フランツ・ヨシフ[諸島]
Zemlya Frantsa-Iosifa

ロシア連邦北西部北極海の一部であるバレンツ海に浮かぶ諸島アルハンゲリスク州に属する。約190の島からなり,総面積1万6100km2。最高点は標高620mの雪原。大きな島は東部ビリチェク島(2000km2),西部のゲオルク島(2741km2)など。かつて巨大な玄武岩台地の島が形成されたが,浸食されて多数の島になったと考えられる。島々の標高も350~500m程度でそろっている。表面は,総面積の85%までが氷河や雪原で,その他も裸地が多い。ヘイス島に地球物理学観測ステーションが置かれている。1865年ロシアの研究者シリングが探検し,73年にバイプレヒトによるオーストリア・ハンガリー二重帝国調査隊の探検があり,国王フランツ・ヨーゼフ1世を記念して諸島名としたものである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランツヨシフ諸島」の意味・わかりやすい解説

フランツヨシフ諸島
フランツヨシフしょとう
Zemlya Frantsa-Iosifa

ロシア北西部,バレンツ海北部にある島群。アルハンゲリスク州に属する。総面積1万 6134km2。 191の島より成り,3群に分れる。オーストリア海峡により分けられた東の一群はビリチェク島,グレエムベル島など比較的大きな島から成る。オーストリア海峡とブリテン海峡にはさまれた中央部の一群は島数が最も多く,ブリテン海峡以西の一群に諸島中最大の島ゲオルグ島がある。全面積の 85%以上は氷河でおおわれ,最高点はビネルノイシュタット島の 620mである。ホッキョクギツネ,ホッキョクグマや多くの鳥類が生息する。定住者はいないが,恒久的な気象観測所が設置されている。 1873年オーストリア=ハンガリー帝国の探検隊により発見され,皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の名を記念して命名された。 1926年ソ連が領有を宣言した。

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