日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨゴレ」の意味・わかりやすい解説
ヨゴレ
よごれ / 汚れ
oceanic whitetip shark
[学] Carcharhinus longimanus
軟骨魚綱メジロザメ目メジロザメ科メジロザメ属の1種の名称。メジロザメ属Carcharhinusは第1背びれが大きく、その高さが第2背びれの2倍以上あること、第2背びれが臀(しり)びれの下か、それより前から始まること、尾柄(びへい)部の尾びれ上葉始部に凹窩(おうか)(くぼみ)があること、尾柄側面にキール(隆起線)がないこと、噴水孔がないことなどが特徴で、35種ほどが知られている。そのなかで、ヨゴレは第1背びれ、胸びれ、尾びれの下葉が大きく先端が丸いこと、第1背びれ、胸びれ、尾びれの先端付近がぶち状に白くなっていることなどで簡単に見分けることができる。和名は、各ひれの先端の白い部分が汚れているように見えることに由来する。外洋の表層域150メートルくらいまでの深さに生息するが、ときに1000メートルくらいまで潜る。最大で3.5メートルほどになる。生殖方法は胎盤型の胎生で、妊娠期間は10~12か月。全長57~77センチメートルの子を、最多で15尾ほど産む。地中海を含む世界の熱帯・亜熱帯海域に広く分布する。国際自然保護連合(IUCN)のレッド・リストでは、絶滅危惧(きぐ)種中の「深刻な危機」(CR)に指定されている(2021年9月時点)。
[仲谷一宏 2021年10月20日]