人工網膜(読み)じんこうもうまく

百科事典マイペディア 「人工網膜」の意味・わかりやすい解説

人工網膜【じんこうもうまく】

失明した人が視力光覚を回復するための装置で,名古屋大学と理化学研究所の共同グループで開発している。 この仕組みでは,まず生体内から神経細胞を取り出して,光信号を電気信号に変える装置の下でこれを培養する。この装置によって,電気信号に置き換えられた光信号が神経細胞に伝えられ,さらにこの神経細胞を末梢神経に接続することで,中枢神経に光を認識させるという理論である。 免疫機能が比較的低い前眼部にこの装置を埋め込んで,拒絶反応を抑えながら,まずは光覚を取り戻すことを目的に研究が進められている。これによって,昼夜の区別がつかないことによる代謝機能の異常を改善することができ,失明した患者に精神的な安定をもたらすメリットがある。 なお,米国のマサチューセッツ工科大学,ユタ大学,ドイツのボン大学らのグループでは,体外に取りつけたテレビカメラの画像信号を神経系に送ることで,失われた視覚を取り戻すための研究が行われている。 また,医療用の目的とはまったく異なるが,三菱電機では人工網膜チップという半導体素子を製造しており,防犯カメラやテレビ・ゲームに使われている。

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