免疫細胞(読み)メンエキサイボウ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「免疫細胞」の意味・わかりやすい解説

免疫細胞
めんえきさいぼう

体外から侵入した異物や病原体、体内の悪性新生物(腫瘍(しゅよう)細胞)などを認識し特異的に攻撃する免疫反応をおもに担当する細胞の総称。免疫担当細胞ともいう。白血球一種でリンパ組織に多いリンパ系細胞のほか、マクロファージや、樹状突起をもつ樹状細胞などがある。リンパ系細胞には、T細胞、B細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞のほか、形質細胞などの種類がある。

 マクロファージや樹状細胞は、その突起によって異物の抗原を認識し、その情報をT細胞やB細胞に伝える。なお、マクロファージには異物を取り込んで貪食(どんしょく)する働きもある。マクロファージや樹状細胞から情報を受け取ったT細胞やB細胞は活性化し、異物を攻撃し排除するように働く。

 B細胞は、外来異物や病原体を攻撃する抗体を産生する。また、T細胞から分化したキラーT細胞は異物や病原体および悪性新生物を攻撃して排除する。さらに、ヘルパーT(Th)細胞は免疫を活性化させるサイトカインなどを産生してB細胞やほかのT細胞を助け、サプレッサー(制御性)T細胞はTh細胞とともに免疫反応の制御を担当する。また、NK細胞は、独自に感染細胞や腫瘍細胞をみつけだし攻撃する。

[編集部 2016年11月18日]

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