朝日日本歴史人物事典 「北畠教具」の解説
北畠教具
生年:応永30(1423)
室町時代の武将。伊勢国司北畠満雅の長男,顕雅の甥。父満雅の戦死後,伊勢国司は室町幕府の支配下に組み込まれた。教具の「教」の字は将軍足利義教の諱の1字。享徳2(1453)年,顕雅の出家を受けて国司家を継ぐ。長禄2(1458)年には従二位に昇進している。室町幕府並びに守護体制の動揺のなかで勢力を蓄え,応仁2(1468)年8月には伊勢守護世保政康を北伊勢上箕田城(三重県鈴鹿市)に滅ぼした。畿内の後背地として政治的に重要な位置を占め,嘉吉の乱(1441)に際しては叛将赤松満祐の子教康が,また応仁の乱勃発時(1467)には将軍足利義政の弟義視が,それぞれ教具を頼って伊勢に下った。
(西山克)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報