頭下(読み)あたまくだし

精選版 日本国語大辞典 「頭下」の意味・読み・例文・類語

あたま‐くだし【頭下】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水やほこりなどを頭の上から浴びせること。
    1. [初出の実例]「頭上━尺土、あたまくだし塵ほこりだぞ」(出典:松ケ岡本人天眼目抄(1471‐73)上)
  3. 出だしからそのまま続けて物事をすること。歌などを出だしから句切れなしに詠むこと。
    1. [初出の実例]「今程はあたまくだしによまぬ歌をば、かやうに難ずるなり」(出典:東野州聞書(1455頃)一)
  4. あたまごなし(頭━)
    1. [初出の実例]「学人の軽重によって呵々大咲しつあたまくだし罵(のり)打つ扣つ色々したぞ」(出典:史料編纂所本人天眼目抄(1471‐73)一)

かしら‐おろし【頭下】

  1. 〘 名詞 〙 頭髪を剃り、またはそいで、僧または尼となること。剃髪
    1. [初出の実例]「御ぐしおろし給ひければ、やがて御ともにかしらおろししてけり」(出典:大和物語(947‐957頃)二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「頭下」の意味・わかりやすい解説

頭下
とうか
tou-xia; t`ou-hsia

投下とも書く。中国,代の遊牧領主采邑,またそれを構成する領民の称。頭下または頭項は,本来五代藩鎮の私属軍隊の隊伍の称。遼代では,流入したり俘虜となった中国農民は一般遊牧貴族が私領し,彼らの頭下と称され,そうした隷属民集団は頭下州として,王室直属の隷属民集団のオルドと区別された。元代ではそれぞれ投下,御位下と称された。この投下には遊牧民のほか農民職人も含まれ,領主の経済を支えたが,次第に元朝行政機構に組込まれ,領主は主要役人の任免権,徴税権を容認されるだけの存在となっていった。

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