天山南路(読み)テンザンナンロ

デジタル大辞泉 「天山南路」の意味・読み・例文・類語

てんざん‐なんろ【天山南路】

天山山脈南麓のオアシスを結ぶ交易路。中国新疆しんきょうウイグル自治区ハミからトルファン・庫車クチャを経てカシュガルへ至る。また清代には、天山山脈以南の地域、特にタリム盆地をさした。→天山北路

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「天山南路」の意味・読み・例文・類語

てんざん‐なんろ【天山南路】

  1. [ 一 ] 天山山脈南麓のオアシスを結ぶ東西交通路。中国新疆ウイグル自治区東部のハミを起点にトルファン・クチャ・アクスを経てカシュガルあるいはヤルカンド・ホータンに至り、パミール高原を越えるもの。
  2. [ 二 ] 天山山脈以南の地区呼称。主として清代に用いられ、天山・崑崙(こんろん)両山脈の間のタリム盆地をさした。東トルキスタン

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「天山南路」の意味・わかりやすい解説

天山南路
てんざんなんろ

中国、天山山脈を基準としてその南部の地区をさす語。天山北路とともに清(しん)朝時代に使われた。タクリマカン砂漠を含むタリム盆地にあたる。天山山脈、崑崙(こんろん)山脈、パミール高原に囲まれ、山麓(さんろく)地方には古代からオアシス農耕社会が発展し、シルク・ロードが走った。清代には回部(かいぶ)、回疆(かいきょう)ともよばれ、イスラム教徒居住地であった。これらのイスラム教徒はウイグル人とよばれ、この地方の主要人口をなしている。

[佐口 透]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android