天然ガスを燃料とする自動車の総称。NGVと略称される。一般的に天然ガスを保存する際には燃料容器(タンク)内にガスを圧縮して高圧貯蔵(約20メガパスカル程度)するため、圧縮天然ガス自動車Compressed Natural Gas powered automobile(CNG自動車)とよばれる。ほかに液化天然ガス自動車Liquefied Natural Gas powered vehicle(LNG自動車)も実用化が進んでいるが、日本ではLNG車に限られている。
天然ガスは石油にかわる現実的な自動車の燃料として注目されている。資源が豊富であることに加え、世界中のさまざまな地域で産出されるため、供給と価格が安定している。
もっとも注目されている利点は、燃やしても環境負荷が少ないことである。天然ガスは、家庭用の都市ガス燃料と同様にメタンガスが主成分で、石油や石油ガスに比べて炭素含有量が少ないため、燃焼後の二酸化炭素(CO2)や炭化水素(HC)の排出が少なく、窒素酸化物(NOx)の排出量も少ない。大型車に搭載されるディーゼルエンジンの燃料を天然ガスに切り替えることで、粒子状物質Particulate Matter(PM)や黒煙の排出がなくなる。世界的には、ガソリンエンジンを天然ガス仕様に改めた乗用車の普及も始まっている。日本でも、低公害であることからNGV普及のため国や地方自治体が施策を講じている。だが、ガス補給のためのスタンドが少ないなど、インフラ整備が進んでいないことで普及は遅れている。
[伊東和彦]
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