日本大百科全書(ニッポニカ) 「宍戸藩」の意味・わかりやすい解説
宍戸藩
ししどはん
常陸(ひたち)国茨城郡宍戸(茨城県笠間(かさま)市)に本拠を置いた藩。1602年(慶長7)出羽(でわ)秋田の秋田実季(さねすえ)が入り5万石で立藩。1645年(正保2)子俊季(としすえ)のとき陸奥(むつ)三春(みはる)に移封となり、のち幕府直轄領となる。1682年(天和2)水戸藩主徳川頼房(よりふさ)の第7子松平頼雄(よりお)が入って茨城郡27か村計1万石を領し、ふたたび立藩。頼道(よりみち)、頼慶(よりのり)、頼多(よりた)、頼救(よりすけ)、頼敬(よりゆき)、頼筠(よりかた)、頼位(よりたか)、頼徳(よりのり)、頼位(再承)と続いた。1871年(明治4)の廃藩置県で宍戸県を経て茨城県に編入。松平氏は定府(じょうふ)大名で、代々大炊頭(おおいのかみ)を称した。
[秋山高志]