応力腐食(読み)オウリョクフショク(その他表記)stress corrosion

デジタル大辞泉 「応力腐食」の意味・読み・例文・類語

おうりょく‐ふしょく【応力腐食】

引っ張り応力や曲げモーメントなどの応力を受けた金属材料が、著しく腐食しやすくなる現象。割れが生じ、やがて脆性破壊に至る場合もある。高温高圧の水が流れる原子炉の配管などで生じる可能性があるため、十分な注意が必要となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「応力腐食」の意味・わかりやすい解説

応力腐食
おうりょくふしょく
stress corrosion

外部応力または内部応力の存在下で金属の腐食が著しく促進される現象。引張り応力が合金に作用し塑性変形が生ずると、表面皮膜の破壊、原子の移動、転位、空孔(くうこう)などの格子欠陥の形成がおこる。これらの構造的変化によって表面に局部的に活性な場所がつくられると、その場所は腐食環境中では優先的に腐食される。応力によって加速された局部的な腐食が深く進行すると、その部分はやがて割れとなり、破壊に至ることが多い。

 このような場合には、応力腐食割れstress corrosion crackingといわれている。応力腐食割れは、合金と腐食環境のある特定の組合せのとき著しく生じやすいことが知られている。たとえば、黄銅とアンモニアガス、オーステナイトステンレス鋼と塩化物水溶液、高張力鋼と硫化物水溶液、炭素鋼とカ性アルカリ水溶液などであり、これらの組合せをつくらないよう注意しなければならない。

[杉本克久]

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