藤原清正(読み)ふじわらのきよただ

朝日日本歴史人物事典 「藤原清正」の解説

藤原清正

没年:天徳2.7(958)
生年:生年不詳
平安中期の歌人。堤中納言兼輔の子。蔵人,斎院長官,左近衛少将などを経て,紀伊守に至る。三十六歌仙のひとり。天暦の内裏歌合に度々詠進し,屏風歌も多く制作するなど,村上,朱雀両天皇期に活躍した専門歌人。『後撰集』以下の勅撰集に28首が入集している。家集に,勅撰集的な部立によって構成された他選家集『清正集』がある。「石上ふりにし里を来て見れば昔かざしし花咲きにけり」「天雲の立ちのみさわぐ秋の夜は月影さへぞしづ心なき」の歌の如く,技巧発想ともに古今調を基にした,平明で流麗な調べの叙景歌を得意とした。<参考文献>山口博『王朝歌壇の研究/村上・冷泉・円融朝篇』

(中周子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原清正」の解説

藤原清正 ふじわらの-きよただ

?-958 平安時代中期の官吏,歌人。
藤原兼輔(かねすけ)の次男左近衛(さこんえの)少将をへて従五位上,紀伊守(きいのかみ)となる。三十六歌仙のひとりで,壬生忠見(みぶの-ただみ),藤原敦忠(あつただ)らと親交があった。天暦(てんりゃく)期の歌合わせで活躍し,「後撰和歌集」以下の勅撰集に28首がはいる。天徳2年7月死去。家集に「清正集」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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