引出しや棚などがつかず、中が空洞の戸棚。袋棚とも称するのは内部が袋状に空洞であることと、なんでも入れられるところが袋に似るからであろう。通常は違い棚の上下に設けられる天袋(てんぶくろ)、地袋(じぶくろ)などをいう。天袋は横に長いが、地袋は竪(たて)形もある。襖(ふすま)製の引違い戸がつく。茶道で用いる棚にも設けられるが、この場合は桑や桐(きり)などでつくられるものもあり、引違い戸のほか両開き戸や慳貪蓋(けんどんぶた)などもある。武野紹鴎(たけのじょうおう)(1502―55)の創案になるという台子(だいす)の下に袋棚のつく紹鴎袋棚、志野流香道で使っていた棚を千利休(せんのりきゅう)(1522―91)が茶に取り入れたとされる、台子の一部に両開き戸のつく志野袋棚、小堀遠州の創出した唐木製の遠州袋棚などが有名である。
[小泉和子]
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